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簡単美文字テクニック!払いの重複を避けると文字がグッと締まる訳

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簡単美文字テクニック!払いの重複を避けると文字がグッと締まる訳

こんにちは、書道家で筆耕士の清水克信です。

今回は簡単美文字テクニックとして『払いの重複は避ける』について解説します。誰にでも今日から実践できるテクニックです。

以前書いた記事でも払いの重複について触れましたが、今回はより深く、誰でも理解できるように解説します。

【以前の記事】美文字の書き方上級編~更に美文字に磨きがかかる3つの要素

もし、あなたの名前に『藤』『森』『美』『保』『大』『夫』『奏』・・・など右払いの漢字が含まれているなら、すぐに実践できるテクニックですよ。

 

払いの重複は避けるとは?

『払いの重複は避ける』とは、1文字の中に2つの右払いがあった場合、どちらかをトメてしまう事です。

それがどういうことか?実際に例を挙げてご説明します。

※『養』『食』『炎』の書き方~書道家・筆耕士 清水克信

・・・⑧画目と⑮画目に右払いがあるので、どちらかをトメます。一般的には⑮画目の右払いをトメる事が多いです。

・・・養と同じく『良』が付く漢字です。②画目と⑨画目に右払いがあるので、どちらかをトメます。一般的に⑨画目をトメる事が多いです。

・・・火が二つ並んだのが炎です。④画目と⑧画目に右払いがあるので、どちらかをトメます。一般的には④画目を止める事が多いです。

※『奏』『秦』『返』の書き方~書道家・筆耕士 清水克信

・・・⑤画目と⑧画目に右払いがあるので、どちらかをトメます。一般的には⑨画目をトメます。奏については小学校で教える標準の形でも⑨画目をトメています。

・・・漫画キングダムでもおなじみの国名『秦』ですが、⑤画目と⑩画目に右払いがあるので、どちらかをトメます。

・・・④画目と⑦画目に右払いがあるので、④画目をトメます。辺も奏と同様に小学校で教える標準の形でも⑦画目をトメています。※楷書でしんにょうを止めることはありません。

 

払いの重複を避ける意味

払いの重複を避ける意味ですが、、まず文字をスッキリ見せる効果があります。左払いの場合は気になりませんが、右払いはどうしても強調する線になります。

強調する線が2本並んでしまうと、文字はどうしてもうるさくなります。そこで、1本の右払いを淡白にトメることで、文字全体をスッキリとした印象に導くのです。

もう一つの理由は『文字に変化を与えて楽しむ事』が挙げられます。

上記した『養』『食』『炎』『奏』『秦』の書き方の説明に「どちらかをトメます」と表現しているのですが、どちらをトメるかは自由なのです。※『返』以外

「どうすればカッコよく見えるか」「どちらをトメれば書いていて楽しいのか」は、書く人の感性に委ねられています。

我々書道家が普段練習する古典を見ると、例えば同じ文章内で『養』が複数登場する場合、その都度書き方を変えたりしています。

これは書き方を変えることで、見た目の楽しさを演出したり、書く事自体を楽しんでいると解釈して良いでしょう。

今回、簡単にできる美文字テクニックとして『払いの重複は避ける』を紹介していますが、これはあくまでテクニックの一つなので「絶対にこうしなくてはいけない」ということではありません。

文字を書く楽しみの幅を広げてくれる知識として知っていただければいいのです。

冒頭に『藤』『森』と書いていますが、もしあなたの氏名にあなたの名前に『藤』『森』が含まれているなら右払いに変化を付けてみてください。

文字の印象がガラッと変わりますから。

 

複数文字の払いの重複は避ける

さて、ここまでは『1つの文字の中の払いの重複』について解説しましたが、次に『複数文字の払いの重複は避ける』事について解説します。

これは単語やお名前の事です。また『避ける』と表現していますが、実際は避ける必要はなく、テクニックの一つとして認識してください。

『複数文字の払いの重複は避ける』とは、氏名の中に右払いの文字が複数あった場合、1つはトメてしまう事です。

では、実例を挙げてみます。

※『秀夫』の書き方~書道家・筆耕士 清水克信

秀夫さんの書き方として3つのパターンを挙げてみました。これのどれで書いても構いません。自分で書いてみてシックリ来る書き方で書いてみましょう。

ただ、『夫』の右払いをトメると行書のイメージが強くなるので、その辺はご自身の感性で書いてみてください。※僕のおすすめは真ん中の『秀夫』さんです。

※『美保』の書き方~書道家・筆耕士 清水克信

美保さんも3つのパターンで書いてみました。

美保さんの場合、『美』も『保』もどちらもトメたくなります。実際に両方トメても構いません。

変化を楽しむということで、いろいろと書いてみて、自分にとって最適な書き方を探ってみてください。

 

複数文字の払いの重複を避ける理由

これも1文字の中の払いの重複を避けるのと同じように『名前や単語をスッキリ見せる』効果があります。

もし、あなたの名前に『藤』『森』『美』『保』『大』『夫』『奏』・・・など、右払いがある場合は、書き方を工夫して楽しんでみてください。

※払うか・トメるかで『正しい字』かどうかの不安があるかもしれません。先に答えを言うと「どちらも正しい字」です。

これは文科省のHPにもシッカリ明記されているので安心してお使いください。なぜ「どちらも正しい字」については明治期の常用漢字制定からの長い説明が必要なので、ここでは割愛します。

 

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