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交通事故を経験して改めてハインリッヒの法則を意識した話

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交通事故について考える

私は先日、不幸なことに交通事故に遭ってしまいました。

腰痛が回復し、いよいよランニング練習再開のための行動開始といった矢先の出来事でした。

今回はその時の体験経緯や今後のことについて考えてみたいと思います。

交通事故に遭った頃の社会情勢

安倍晋三前首相の突然の辞任により、令和2年9月16日に第99代内閣総理大臣に菅義偉新首相が誕生しました。菅氏は2019年4月1日に、官房長官として新元号「令和」を発表したことから、「令和おじさん」の愛称もあります。

また、「Go Toトラベル」の旅行代金の割り引きで、政府はこれまで除外していた東京都への旅行と都内に住んでいる人の旅行を10月1日から対象に加えました。

一方、東京都で10月3日(土)に新たに207人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、感染の再拡大と第3波の到来が懸念されています。

このような社会情勢の中、交通事故に遭ってしまったのです。

交通事故発生

その日は、約1か月に渡る腰痛から解放され、落ちた体力を復活させるために、ランニング本格復帰の開始となる第1歩の日。時間に余裕を持って出発し、自宅から車で練習場となる運動公園に向かっている途中でした。

公園まであと10分のところの狭い路地の市道。走行中の私の車の前に横から1台の車が突然、飛び出てきました。避ける間もなく、気づいたら私の車の左斜め前と相手方の車の右斜め前が衝突しました。

当然、お互いの車は衝撃で一部破損します。相手方の車は横の駐車場から出てきたため、お互いにその駐車場に車を移動して駐車しました。

私は保険会社に一報したあと、すぐさま警察に連絡をしました。

交通事故は軽微でも警察への報告義務がある

交通事故が発生すると、軽微であろうとも法律上は警察への報告義務があります。

(交通事故の場合の措置)
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

出典:道路交通法

仮に、公道で無く、民間の駐車場での衝突、自宅マンション内で住民同士の車の衝突が発生したらどうなのでしょう?

JAFのクルマ何でも質問箱でも詳しく解説されていますが、実は、これも報告義務があります。

警察官

事故後の対応

その後、連絡先を交換し、警察による現場検証を経て、楽しみにしていた練習を諦めて、帰宅することになります。

衝突後、お互いがお互いのケガを気遣うなどの対応はしたところですが、相手方の方は任意保険という言葉自体を知らず、無保険車では無いかと疑念を抱き、解決が遅れてしまうことを危惧した記憶があります。(数日後、相手方も任意保険に加入していることが判明しました。)

一方、そんなに激しい衝突では無いとはいえ、一抹の不安を感じたために、念のため、事故発生当日の午後から整形外科を受診しました。今回は交通事故のため、健康保険を使わずに自費で支払いを行うこととしました。

今回の事故で気づかされたこと

交通事故は、一生の間で度々起きることではありません。記憶の新しい今だからこそ、感じたこと、気づいたことを振り返ってみます。

接触すると責任が発生する

自動車と自動車、自動車と人が接触する事象が一旦発生すると、程度の差はあれ、責任の面で基本的には、無傷ではいられません。

今回のような「直進車」と「道路外出入車」の交通事故の基本の責任割合は、「直進車」:「道路外出入車」=20:80となるのが通例のようです。

後ろから衝突されたり、停車している車にぶつけられたり、あるいは飲酒運転の車にぶつけられたりするなどを除けば、たとえ自分が悪くないと感じても、責任が発生すると考えてよいでしょう。

物損と人身は分離して話が進む

今回は、私には物損事故と人身傷害、相手方には物損事故が発生しました。

私には、自分側の保険の物損担当からと、相手側の保険の人身担当からそれぞれ、連絡が来ることになりました。一つの事故ですが、それぞれ別の内容であるため、別々に話が進むことになります。

私の通院は2回で済んだため、人身は先行して保険金の支払いや対応が終わりました。物損は破損部分を修理するのに一か月程度時間を要し、修理費用が双方確定するまでは、話が進みませんでした。

アジャスターの存在

今回初めて知ったというか、意識したことですが、交通事故が起きると、アジャスターと呼ばれる人が解決に向けて動くことになります。

アジャスターとは、事故における損害を調査して、その正確な被害額を算出する人達のことです。保険会社は、このアジャスターを事故の現場や修理工場に派遣して、被害額を算定します。

アジャスター制度とは、一般社団法人日本損害保険協会(以下、協会)に加盟する損害保険会社から委嘱を受け、「保険事故」の損害調査業務(自動車の物損事故による損害額や事故の原因・状況などの調査)を行う者で、協会にアジャスター登録された者を言います。

出典:一般社団法人日本損害保険協会ホームページ

負担割合は最後に決まる

自分と相手方の負担割合は、事故の発生経緯を参考にして、最初に確定するものだと思っていました。

しかし、前述のアジャスターによる確認作業が必要なため、最終的な負担割合は被害額確定後に決まるようです。被害状況によっては、判例通りの負担割合だと妥当で無い場合や、事故の当時者同士が言っていた事実関係と異なる可能性があるからです。

今回は事実関係について双方の言い分が一致し、被害状況もその事実関係と相違は無く、負担割合についても異論は無かったため、当初想定の20:80で示談になりました。

もめた場合は裁判になることも

仮に、私が責任割合は10:90と主張する、あるいは逆に相手方が30:70だと主張する場合、話がまとまりません。こうなると裁判になる可能性もあります。

相手方が左右を全く確認せずに一時停止すらしていなかった、逆に私が制限速度を大幅に超えて走行していた、などの事実がドライブレコーダー等で証明できれば、責任割合が変更する可能性もあります。

自動車保険

今後の対策

交通事故は、その程度の差はあれ、不幸な出来事です。でも学ぶことや改めて気づかされることもあります。

普段の心がけ次第で、今後の事故の発生確率や遭遇確率を低下させること、発生時に適切な対応に繋がるものと考えます。

ドライブレコーダーの定期メンテナンスの必要性

2017年6月、神奈川県の東名高速道路であおり運転の末に負債を事故で死亡させ危険運転致死傷などの罪に問われた事件が発生しました。

この事件を契機に、運転中の様子などを録画できるドライブレコーダーに注目が集まりました。私も報道を目にしたときから設置しました。

今回の事故状況の様子を確認しましたが、なんと、映っていませんでした。

過去の走行の様子が映像で映っていたのもありましたが、知りたかった今回の様子を見ることができました。何らかの理由で機能していませんでした。

これは、メンテナンス不足によるものと考えています。思えば設置してから確かに、日常の中で映像状況を確認していませんでした。

今回はドライブレコーダーの記録が必要な局面にはなりませんでしたが、危機管理としては問題かなと思っています。なので、機能しているかどうかの確認、修理や買い替えを検討します。

保険の見直し

今回の事故で、保険を使ったので、保険の等級が3等級下がります。今と同条件であれば、3年間は今の金額より高くなることになります。

これを聞くと、条件を変えて(補償を変えて)、今と同程度の年間保険金額にするという選択肢もありますが、それ良いとは思いません。

修理費用は契約上の車両保険費用を超えるものとなりました。ですので、多少保険料が上がっても、「支払修理限度額特約」を付帯して、車両保険の金額を上げようと考えています。

今回は修理費や損害額が車の時価額を超えるような「全損」という状態でした。この場合、保険で賄われる金額に上限が発生します。

これをカバーする意味で、多少保険料が上がっても「支払修理限度額特約」に加入したいと考えています。

新車の検討・カーシェアリングの導入の検討

今すぐのことではありませんが、今後5~7年以内程度を目途に新車の購入も検討したいと思います。

安全や事故防止に対する機能は近年上がっており、現所有の10年以上前の車と比べると比較になりません。

適切な買い替えのタイミングと予算の確保に目途が立てば前向きに考えます。

また、併せて最近導入が増えてきているカーシェアリングへの移行や活用も考えています。安全装置やドライブレコーダーの整備された比較的最新に近い車に乗ることができます。

カーサービス

まとめ

普段から、事故に遭遇しないよう、制限速度や交差点、安全運転には努めたつもりですが、事故に遭遇してしまいました。

大変無念な思いです。本音を言えば、ぶつけられたという気持ちしか残っておらず、被害者だと感じています。

とはいえ、安全運転については再精査の必要性は感じています。もちろん、他者も絡むため、防ぎ切れないことも側面もあるかと思いますが、自分にできることをやるしかないかなあとは考えています。

改めてハインリッヒの法則を意識します。

ハインリッヒの法則(ハインリッヒのほうそく、Heinrich’s law)は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するというもの。
出典:Wikipedia

ハインリッヒの法則は、「1:29:300の法則」とも呼ばれていて、下図のように図示するとイメージしやすいです。

ハインリッヒの法則

この法則を念頭に、運転の中でヒヤリハットを感じる状態を減らせば、事故に遭遇する確率は限りなくゼロに近づくことでしょう。過去と他人は変えられませんが、自分と未来は変えられます。より良い未来を祈ります。