2020年新型コロナウィルスの感染拡大により売上が落ちた弊社。税理士の先生とも相談の上「持続化給付金」の申請をし、ありがたく給付を受けることができました。
その経験から申請をスムーズに進めるためにも、知っておきたいポイントを紹介します。
「持続化給付金」とは
持続化給付金の公式サイトによると
感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金を給付します。
出典:中小企業庁 令和二年度補正「9/1~申請受付分」持続化給付金事務事業
とあります。
給付金ですから返済する必要は有りません。ありがたい制度です。
2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月がある、資本金10億円以下の中小法人とフリーランスを含む個人事業者が給付対象です。
詳しいことは公式サイトでご確認ください。
特例もありますので、給付対象になるかどうか、しっかり確認しましょう。
一番気になる「いくら給付される?」
「中小法人等」は最高200万円、「個人事業者」は最高100万円です。
公式サイトには計算例が乗っていますが、ちょっとわかりにくいなとおもったら、給付額を自動計算してくれるエクセル(シミュレーター)が用意されていますので、活用しましょう。
エクセルファイルは公式サイト「持続化給付金とは」のページよりダウンロードできます。
法人用と個人事業者用とそれぞれありますので、該当するシミュレーターをお使い下さい。
月ごとのセルに該当する収入額を入力するだけで、給付金額がわかります。
申請から200万円受給まで-悩んだ5つの事柄
ここからは、実際に申請して迷ったこと、感じたことをお話します。
申請はパソコンかスマートフォン・タブレットにて、持続化給付金の申請用サイトから電子申請します。
よくある会員登録のような流れで、会社情報、売上額などを入力、確定申告書など必要書類を添付して、送信するだけです。
と、簡単に思っていたのですが、実際に入力を始めると悩む事柄がでてきました。
※事業形態が法人か個人事業者かで、入力項目、提出書類が異なります。ここでは法人での申請を元にしています。
法人番号・会社情報入力
法人番号って登記簿謄本とかに記載されている番号だよね?
法人事業概況説明書にあるこれでいいのかな?
なんて戸惑っていたら、ちゃんと「法人番号を調べる」ボタンが用意されてました!
クリックすると「国税局法人番号公表サイト」が開きます。
社名を入れて検索し、表示された法人番号をコピペすれば、間違いなく登録できます。
合わせて、法人番号から登記データが引用され、社名や登記されている本社住所が入力されます。
登記上の本社住所と実際に業務している住所が異なる場合もあるし、ビル名や部屋番号を入れたり入れなかったりと、間違いやすいのでなかなか親切な機能だと感心してしまいました。
業種
日本産業分類で定められた業種から 大分類>中分類>小分類 を入力します。
これも分類一覧を見るボタンから分類が検索できるサイトが開きますので、そこで調べましょう。
検索サイトの利用方法は、後で紹介する申請の操作方法の動画パソコン編の再生開始から8分あたりに詳しく説明がありますので、参考になります。
ここで気をつけたいのは、添付する確定申告書と法人事業概況説明書に記載されている事業内容と一致させること。
もし、異なっている場合は修正申告が必要となり、受給までに時間が掛かってしまうかもしれません。
つまらないミスで時間を無駄にしないよう、しっかりチェックしましょう。
弊社の場合は「情報通信業>情報サービス業>ソフトウェア業」としました。
口座名義
口座名義の入力にあたっては、次のような注意書きがあります。
- 半角カタカナ、半角英数字で入力。
- 小さいュやョは使えません。ユ・ヨ に置き換えること。
- また長音文字「ー」は半角マイナス記号「-」で入力。
- 半角スペースがある場合は、半角スペースを忠実に入力。
- 中黒点「・」は、ピリオド「.」またはスペースを使用。
弊社社名「エヌツーエヌコミュニケーション」には、小さい「ュ」と「ョ」に加えて、長音文字までも入っているため、当初この注意書きに気が付かず、何度やっても登録できないので難儀しました。
売上
前年度の年間事業収入と対象月売上額、今年度の対象月売上額を入力します。
そこで前年度の年間事業収入について一つ疑問がわきました。
提出する「法人事業概況説明書」では、千円単位で記入してあります。でも実際は、一円単位までありますよね。
たとえば
千円単位だと 123,451千円
実際の売上額は123,451,234円
のように。
この場合では
「123,451,000」と入れるのか「123,451,234」と入れるのか、どうしたものか悩みながら、「123,451,234」と入力しました。
一円単位まで入力したことが正解かどうかわかりませんが、審査が滞りなく通ったので、良かったのかなって思っています。
(あっ、もちろん1億円も売上無いです。あくまでも例としての金額です)
ともかく、売上金額については、提出する確定申告書や売上台帳に記載されている金額と一致させることが大事です。
添付書類
確定申告書類、振込先銀行口座の通帳をスキャンまたは撮影し、データで提出します。
保存形式はPDF・JPG・PNGのいずれか、サイズは1ファイル10MBまでとなっています。
画像が不鮮明で再提出になる事例が多いそうですから、出来上がりをしっかりチェックしましょう。
弊社ではスキャンしてPDFファイルにしました。
ところが解像度1,200dpiでスキャンしたため、1枚だけオーバーサイズの14MBに!
慌てて解像度600dpiで取り直ししました。
文字も小さいし高解像度で、としたことが失敗でした。
600dpiなら4MB、小さい文字もちゃんと判別できる十分な仕上がりでした。
なお、iPhone、 iPadで写真を撮る際には、ファイル形式に注意が必要です。
iPhoneと iPadの最新OSバージョンでは、標準の画像のファイル形式が「JPEG」から、「HEIF」になったため、設定を変える必要があります。
設定 > カメラ > フォーマット より、カメラ撮影を「互換性優先」に変更すれば、「JPEG」で保存され、電子申請に添付することが可能になります。
給付はいつ?
いろいろバタバタしましたが、9月4日(金)16時過ぎには申請できました。完了すると、「申請を受け付けました」とのメールが届きます。
金額が確定しましたら「持続化給付金の振込のお知らせ」という給付通知書が発送され、不備等が無ければ2週間程度で、振込まれるとのことです。
申請サイトのマイページには、「審査中」となり、後は審査が通るのを待ちます。
ちょうど2週間後の9月16日に「現在の確認状況と今後のご連絡について」というメールが届きました。
それによると、
「現在、ご申請いただいた入力情報および証拠書類等の内容確認のため、お時間をいただいておりますので、今しばらくお待ちください。」
とのこと。
この後連休もあるし、しばらく待たされそうです。
振込みは突然に!
申請から3週間後の9月25日、そろそろかなと思い、申請サイトのマイページを見てみると「支払い済み」となっています。
あわてて口座を調べると、入金されています!!
しかも9月16日付で。
16日に届いた「しばらくお待ちください」メールはなんだったのか?
16日以降もマイページが「審査中」だったのに?
と、頭の中で「?」がいっぱいです。
ともかく、修正請求もなく無事振り込まれたので一安心。
その後、「持続化給付金の振込のお知らせ」ハガキは9月30日に届きました。
どうも事前にメールなどの前触れもなく、振り込まれるようです。
特に修正などの連絡がなければ、こまめに通帳チェックしたほうが良さそうです。
教訓「事前にしっかり準備しよう」
何事も準備は大切です。
私のように申請途中で慌てないように、事前準備ポイントをご紹介します。
電子申請推奨環境を確認
申請に使うパソコン・スマホのブラウザは何をお使いですか?
予め持続化給付金公式サイトで推奨環境を確認しましょう。
推奨外の環境だと、きちんと申請ができないことも考えられるので、注意してください。
動画で操作方法を予習しよう
持続化給付金公式サイトに電子申請の操作方法を説明した動画があります。
パソコン操作編・スマートフォン操作編・主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者等のみなさま編の3つに分かれています。
とても丁寧な説明で大変わかりやすい動画なので、おすすめです。
なお、申請サイトは9月1日より変わりました。以前のサイトはブルーが基調色。新しいサイトはオレンジ色が基調色です。
YouTubeには申請手順の説明をしている動画が見受けられますが、以前のサイトでの説明動画が多いです。ご注意ください。
「よくある不備」を確認
持続化給付金公式サイトの「申請における「よくある不備」について」のページでは、添付書類に関する不備、売上台帳に係る不備、銀行口座に係る不備について丁寧に説明があります。
入力ミスや添付書類の不備で、審査に時間を要したり、最悪給付が受けられない、なんてことのないよう、事前に目を通しておくことをおすすめします。
まとめ
新型コロナウイルス感染拡大により、私達の生活は変化を余儀なくされました。
更に収入が減り、不安な中での暮らしは、正直つらいものがあります。
が、落ち込んでばかりではいられません。
頂いた給付金をありがたく活用し、新たな事業への足がかりにさせていただきます。
持続化給付金の申請受付は2021年(令和3年)1月15日までです。まだの方はお早めに!
まずは給付対象になるか確認することから始めましょう。
東京都港区出身。神奈川県茅ヶ崎市在住。
普通科高校を卒業後、化学研究所に就職し元素分析業務に従事。
2000年7月システムエンジニアの夫の独立に伴い、Webの世界に無理やり引き込まれる。
独学でWebサイト制作技術を学び、Webプログラマとして美術館、科学館、大学、一般企業等のWebサイト制作に従事する。
現在ではWordPressによるサイト制作の経験を活かし、WordPressセミナーを開催。受講生にWordPressの楽しさを伝えたいと活動中。
有限会社エヌツーエヌコミュニケーション取締役