暮らし

家庭菜園を本格的に始めて1年半が経過して今思うこと〜その2〜

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イチゴ狩り

↑3月末 イチゴ狩り(家庭菜園ではありません)

家庭菜園を本格的に始めて、早いもので1年半が経過しました。最初の1年は、量は少なくてよいから、とにかくたくさんの種類の野菜を育ててきました

植えたいものを、育ててみたいものを、食べたみたいものを、気の赴くままに、時には思いつきで色々と育ててきたように思います。

経験を積み重ねていく中で、収穫物を完全に有効活用できていないという課題があることも感じました。

そして、今改めて思うのですが、家庭菜園で育てた野菜とスーパーマーケット等で買った野菜の違いや、日々の暮らしの違いってどんなものがあるのだろうとふと考えました。小さな経験ですが、今感じていることを整理してみたいと思います。

はじめに

東京都は2021年3月31日、414人(前日364人)の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表しました。緊急事態宣言も3月21日を以って解除されました。今夏の東京オリンピックも海外からの観光客を入れずに開催する予定でおります。

昨年の今頃は、最初の緊急事態宣言の真っ最中で世の中は、右往左往し不安の渦が巻いてました。1年が経過しても収束や解決には未だ至っていませんし、感染に対する不安感は消えませんが、1年間の経験により、少なくとも1年前の今よりは心に余裕が生まれているのではないでしょうか。

あくまで1年前と比べての話ですが。まだまだ、人類と新型コロナウィルスとの戦いは続きます。

収穫したダイコンと長ネギ

3月末 収穫したダイコンと長ネギ

「自分で育てた野菜」と「買ってきた野菜」の違い

私自身がすぐ思いつくものとして3つ挙げてみます。

第1に、当たり前のことですが同じ野菜を手に入れるにしても、自分で育てると「時間」がかかります。ニンジンの例で言うと、スーパーで買えば、ニンジンならまず売っているでしょう。

なので、すぐ手に入れることができます。一方、家庭菜園で育てると人参は種を蒔いてから、収穫するまでに約120日かかります。食べられるまでに「時間」がかかるのです。これが決定的な違いかと思います。。

第2に、「見た目」が違います。売っている野菜は多くの場合とてもきれいな状態で売られています。ニンジンの例で言えば、大きくて太いものが袋に入れられて何本か入っています。あるいは一本売りで売られていることもあります。テレビで見る芸能人のように、多くは綺麗です。

これに対して、私は農家のような専門家では無いので育ったニンジンの大きさもバラバラで、「見た目」が必ずしも良いものが多いわけではありません。大きく太ったニンジンも少なく、スーパーよりは小さいものが多いです。語弊があるかもしれませんが、「見た目」は一般人のニンジン達です。

第3に、「虫」がつく、「泥」がつくことが自分で育てた野菜の場合多くなります。ゴボウなどは、泥つきでスーパーで売られていることもありますが、多くは泥をきれいに取ったり、洗った上で店頭に並ぶことになる野菜がほとんどかと思います。

家庭菜園で畑から収穫物をビニール袋に詰めて帰ると、青菜などは葉っぱに虫がついていることがあります。

先日も、ブロッコリーを収穫した後、おうちで茹でたところ、葉っぱについていて茹で上がった虫も一緒に茹でられていたということもありました。スーパーで買ってきた野菜はこの辺りのことはあまり無いのではないでしょうか。

「自分で野菜を育てる暮らし」と「スーパー等で野菜を買う暮らし」の違い

すぐ思いつくものとして3つ挙げてみます。

第1に、至極当然のことですが、自分で育てると「手間」がかかります。ニンジンは畑で育てる場合、『すじまき』といって線状に一列に種を撒きます。

これは発芽するときに、密になる仲間がいないと、なかなか発芽しにくい性質があるからです。その結果、だんだん大きくなると、ニンジンの肩がぶつかりあい、それ以上成長しにくくなります。

このため『間引き』を行ってニンジン一本一本を太くしていくのです。良いニンジンを育てるためには、この『間引き』という手間を無しには避けられません。

第2に、「お金」がかかりません。厳密に言うとお金がかからないわけではありません。土地を借りていれば土地代が、種を買えば種子の代金がかかります。道具や肥料を自分で購入しなくてはいけない環境下の方であれば、その分はかかります。

とはいえ、自分で育てている「手間」をかけているため、収穫時はお金がかからず野菜を手に入れることができます。

また、自分で育てているので世の中の「価格変動」とは無縁です。2020年は長雨と日照不足や、新型コロナによる家庭内食の増加が原因で野菜価格が上昇しました。家庭菜園はある意味、生活に対するリスクヘッジが可能です。

しかし、他方で家庭菜園といえども、いや、家庭菜園だからこそ、台風や大雨の影響により、トマトやナスを支えている支柱が倒れたり、収穫物が水没してしまうこともあります。昨年育てていたスイカもいくつかは大雨によって水に浸り、食べられなくなってしまいました。

「災害リスク」を完全に防ぐことは難しいようです。これについては店頭のものでも同様でしょう。

第3に、「安全」で「安心」な食材が手に入ります。農薬は使わずに、自分で育てているのである意味非常に安心です。

店頭で売られているものは、近年では育てた農家さんの顔写真付きで売られていることも多く、こちらも「安全」で「安心」かとは思いますが、自身で育てたものの安心感には敵(かな)わないでしょう。

無農薬を謳っていても減農薬である野菜も多く、虫がいないのは、農薬のせいで虫が寄り付かないというのも理由のひとつです。

「自分で育てた野菜」と「自分で野菜を育てる暮らし」を避ける3つの理由

自分自身が本格的に始めてから知人に話をすることも多くなりました。興味を持って頂いた方には、農園にきてもらい自分の畑を見学してもらったり、収穫物のお裾分けをすることもあります。

しかし、逆に興味をあまり持たれないこともあります。ここからは少しネガティブな話になりますが、家庭菜園を遠ざける3つの理由について、実体験を交えて考えてみたいと思います。

第1に、「虫が嫌い」。虫が苦手で畑をやりたくないという人は一定数います。自然が相手で、屋外の環境なので虫は必然的にいます。

夏などは、畑に行くたびに、キャベツについている「虫」をピンセットで取ったりすることも確かにあります。なので、自然由来の『木酢液』を散布して、虫対策を行うこともあります。

第2に、「手間がかかる」「疲れる」「野菜を買ってくる方が楽」。これは確かにその通りかもしれません。スーパー等で買えば、手間と疲労は簡単に避けられます。

育てることに楽しさを見出せなければ、このような発想になることは無理の無いことかもしれません。私も家庭菜園を始める前は、無意識のうちにこんな思考回路だったかもしれません。

第3に、「畑が遠い」「道具や肥料を自分で用意しなければいけない」。物理的な距離は、精神的な距離につながります。野菜を育てたくても畑が自宅から遠ければ、行くまでが大変でしょう。

そういう意味では郊外の広い庭や、畑が併設された戸建てなどは土地代もかかりませんし、野菜を育てるには便利でしょう。

先日のことですが、畑をやってみたいけど、道具や肥料を用意するのが大変なので躊躇しているという話をしてくれた友人がいました。

私の場合は、道具、肥料、アドバイザーが備え付いている「貸し農園」のため、こられのことで悩まされることはありません。もちろん、友人には「貸し農園」を紹介したところですが、今後始めるのかどうか興味深いところです。

まとめ

今回は、「自分で野菜を育ててる暮らし」と「それとは無縁の暮らし」を対比しながら、今の自分を振り返りつつ整理してみました。併せて遠ざける理由についても改めて考えてみました。

実際、家庭菜園をしなくても生活をすることはできます。また、家庭菜園をすることが家計にとって特か損かはその人の置かれている状況によるので一概には言えないと思います。

しかし、私は自分で野菜を育てる暮らしを今後も続けていきたいと考えています。

満開の桜

3月末 満開の桜