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サラリーマンも確定申告! 還付申告で払いすぎた税金を取り戻そう

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確定申告

もう確定申告の手続きは終わりましたでしょうか?

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、今年は確定申告の申告期限は4月16日に延期されています。さらに、感染の拡大状況を鑑み、4月17日以降でも確定申告期限の柔軟な取扱いをしてくれるようになりました。

安倍晋三首相は4月7日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令。今後の収入の減少が心配なこんな時期こそ、少しでも払いすぎた税金を還付申告で取り戻してみませんか?

今回はその中でも、代表的な医療費控除ふるさと納税、そしてiDeCoに絞ってお話しをしたいと思います。一般的には見落としがちな、目から鱗が落ちる情報もあわせてお伝えします。

1. サラリーマンが確定申告で還付金を受け取る方法

サラリーマンの方は自営業の方と比べて、確定申告を行うのは馴染みが薄いかもしれません。でも、サラリーマンだからこそ、確定申告をするとお得な還付金を受け取ることができます。

尚、還付申告とは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受け取ることができる申告のことをいいます。

確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といいます。

出典:No.2030 還付申告|国税庁

私の場合で言うと、次のように還付申告の仕組みをフルに活用してきました。

・サラリーマンに成り立ての頃は毎年「医療費控除」
・家を購入してからは「住宅ローン控除」
・住宅ローン控除期間が終わると「ふるさと納税」
・今年からは「iDeCo」

医療費控除では、毎年の医療費がそれほどかからなかった期間は、5年分まとめて申告したこともあります。還付金額が4千円程度のときもあれば、20万円以上のときもありました。

還付申告ほぼ毎年行っているので、今日までその恩恵を享受し続けています。ここからは自身の体験に基いて、概算の数値も交えながら分かりやすくお話ししていきます。

2. なぜ還付金を受け取れるのか?

確定申告のイメージ

サラリーマンの方で、年末調整の時期にその年に納めた保険料の証明書などを会社に提出した方は、12月の給料に還付金が上乗せされて支払われた経験があるかと思います。

住宅ローンを支払っている方は、さらに還付金が上乗せされて受け取れることもあります(但し、初年度は自分で確定申告しなければならない)。これは、納めすぎた税金が戻って来ることによるものです。

毎月の給与明細では、所得税も住民税も差し引かれて給与が支払われますが、毎月徴収されている税金はあくまで概算に過ぎないので、実は多めに取られているのです。

年末になると、その年の給与の総額が確定して、かつ保険料や住宅ローンとして支払った分は税額を計算するときに対象金額から差し引かれます。

正しく計算した結果、納め過ぎた税金が還付金として戻ってくる、というだけの話なのです。

ここまでは、お勤め先の給与担当部署の方が手続きをしてくれます。ところが「医療費控除」や「ふるさと納税」は会社ではやってくれませんから、自分自身で還付申告をしなくてはいけません。

逆に言うと、「医療費控除」が受けられる場合や「ふるさと納税」を利用している場合、手間暇は掛かりますが、自分で確定申告を行えば必ず戻りはあります。興味のある方は是非ともトライしましょう!

3. 医療費控除

ざっくり言うと、10万円を超えた医療費の総額の10%が戻ってきます

例えば、年間15万円の医療費がかかったとすると、

10万円を超えた医療費の総額:150,000円ー100,000=50,000円
総額の10%:50,000円×0.10=5,000円

約5,000円が戻ることになります。医療費控除の還付金の概算額を知りたいときは、10%という数字を覚えておくと便利です。

以下にポイントを3つお話します。

※実際には、同じ「医療費控除」額だったとしても、課税所得が高くて納める税金が多い人は還付金も多く、納める税金が少ない人は還付金も少なくなります。所得税率が10%の人は10%の戻り。所得税率が20%の人は20%の戻りというのが概算になります。ここでは、所得税率が10%の人を例としました。

総額に交通費等を計上可能

医療費の総額とは、病院等に支払った金額はもちろんのことですが、かかった交通費も計上することができます。

徒歩で歩けるところしか行っていないのであれば計上できませんが、電車で通院先に向かうことはよくあることでしょう。通院先も1つとは限らないことが多いと思います。

また、交通費以外にも治療ためにかかった医薬品などがあれば医療費と同様の取扱いになりますのでこちらも追加して計上可能です。

家族全員分を計上可能

一人暮らしの人は、自分の分しかありませんが、夫婦や、お子さんがいる場合は家族全員の医療費を合計して申告することができます。

10万円と言うと、大きな金額ですが、家族の多い家庭であれば、計算して足してみると結構高くなるので、意外にも超えてしまうものです。

医療費に関する領収書は保存しておいて、合計してみましょう。

5年前まで遡ることが可能

還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。これは逆に言うと、5年前まで遡って申告できることを意味します。

例えば、これまでに還付申告をしていなかった場合、平成27年分以降であれば、つまり、平成27年、28年、29年、30年、令和元年の分をまとめて申告することができます。

仮に、平成27年から令和元年まで、それぞれの年で毎年13万円の医療費を払っていたとすると、

10万円を超えた医療費の総額:130,000円ー100,000円=30,000円
10万円を超えた医療費の総額の5年分:30,000円×5年分=150,000円
総額の10%:150,000円×0.10=15,000円

15,000円の還付金を受け取れることになります。

4. ふるさと納税

ふるさと納税とは、寄付金控除のことをいいます。

納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。

出典:No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁

所得税、住民税それぞれに影響がありますので、分けてお話しします。

所得税

ざっくり言うと、収めた「ふるさと納税」の総額から2,000円を差し引いた分の10%が戻ってきます。

例えば、令和元年に122,000円の「ふるさと納税」をすると、

収めたふるさと納税の総額から2,000円を差し引いた分:122,000円ー2,000円=120,000円
差し引いた分の10%:120,000円×0.10=12,000円。

約12,000円が戻ることになります。

※実際には、同じ「ふるさと納税」額だったとしても、課税所得が高くて納める税金が多い人は還付金も多く、納める税金が少ない人は還付金も少なくなります。所得税率が10%の人は、10%の戻り。所得税率が10%の人は、20%の戻りというのが概算になります。ここでは、所得税率が10%の人を例としました。

※所得税分の還付金の計算方法は医療費控除の仕組みと一緒です。

住民税

収めた「ふるさと納税」の総額が半年後から1年半後の間に1年間の期間をかけて戻ってきます。翌年の6月から引かれる住民税が翌々年の5月まで12分割されて減額されます。

例えば、令和元年に122,000円の「ふるさと納税」をし、前述の通り、所得税の還付金12,000円を得たとすると、

戻ってくる総額:122,000円ー2,000円ー12,000円=108,000円(2,000円と所得税分の還付金は差し引かれます)
12分割した住民税の減額分:108,000円÷12=9,000円

令和2年6月から令和3年5月まで、毎月9,000円、住民税が安くなります。あなたが、仮に毎月30,000円の住民税を収めている人物なら毎月21,000円の住民税で済むことになります。

既に122,000円を支出していますが、所得税と住民税の合計120,000(=12,000円+108,000円)が戻って来ることを意味します(2,000円の支出は必須となります)。

では一体、何が得か? と言うと、次の返礼品になります。

返礼品

返礼品は、収めた「ふるさと納税」額の30%程度の商品です。

令和元年に122,000円の「ふるさと納税」をすると、

「ふるさと納税」額の30%:122,000円×0.3=36,600円

最大で約36,600円分の価値の商品を返礼品として受けとっていることになります。

(参考)総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税に係る指定制度について

5. iDeCo

iDeCoのイメージ

iDeCoは、国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せして給付が受けられる年金制度です。

2017年1月に公務員や主婦、企業年金のある会社員などが加入対象に追加され、20歳以上60歳未満のほとんどの方が加入できるようになりました。

なぜ、ここで「iDeCo」の話を上げたかというと、節税効果が大きいからです。年末調整で30%程度が戻って来ます。

仮に毎月10,000円、年間で120,000円拠出したとすると、36,000円分の所得税と住民税の節税メリットがあります。

私もつい先日始めたばかりなのでまだ恩恵は受けていませんが、今年の年末が楽しみです。

※実際には、同じ「掛金」額だったとしても、課税所得が高くて納める税金が多い人は還付金も多く、納める税金が少ない人は還付金も少なくなります。課税所得はご年収から必要経費や保険料等の各種控除を差し引いた金額であり、個人によってその額は大きく異なってきます。

6. まとめ

人口減少社会

日本は既に人口減少社会を迎え、今後は益々、少子高齢化が加速するものと思われます。国の借金は2019年末で1,110兆円にも達しています。年金の給付開始年齢は徐々に高くなり、給付金額も徐々に減らされております。

こうしたことから、必ずしも、夢や希望を持って、誰もが豊かな老後を迎えることができるとは言いにくい状態です。加えて、直近の世界的な新型コロナウィルスの感染者拡大により、オリンピックの1年延期という事態になっています。

未来は明るく無いようにも、一瞬、思えてしまいますが、そうでもないと思います。社会は人間が生きている限りは、絶えず発展し続けています。

私が暮らすためのインフラ、命の守るための医療、生活を豊かにするためのテクノロジー。いずれも、年を重ねるごとに進歩していいます。人々の意識や社会の制度も、昔より格段に良くなっています。

一方、個人レベルの話はどうでしょうか?

どんな社会になろうとも、その社会に適応しつつ生きていかなければなりません。でも、ちょっとした工夫、ちょっとした知恵で、今の豊かな社会の中で、楽しく生活をすることができます。

今回は、確定申告の還付申告に焦点を絞り、サラリーマンを対象に、収めた税金を正しく取り戻す方法について改めて考えてみました。

ちょっとの手間と学習で、世の中の仕組みを知りながら、節税というお小遣い稼ぎもすることができます。興味のある人は、今からでも遅くないので、ぜひとも始めてみて下さい。